
「マイボールって上手くなってから買うものじゃないの?」
よく聞く話ですが、プロボウラーとして断言します。逆です。始めるならマイボールからです。
ハウスボールで練習を積んでからマイボールを買う、という順番で考えている方は多い。でもその順番が、上達を遠回りにしている可能性があります。その理由を解説します。
ハウスボールの問題点
ボウリング場に備え付けのハウスボールは、不特定多数の人が使うために設計されています。
最大の問題はスパンです。スパンとはサムホール(親指を入れる穴)とフィンガーホール(中指・薬指を入れる穴)の距離のことです。このスパンは人によって異なります。指の長さ・手のひらのサイズが違えば、最適なスパンも変わります。
ハウスボールのスパンは平均的な手の形に合わせて設定されています。自分のスパンに合っていないボールでは、指が自然に抜けず、フォームが崩れます。「なんかうまく投げられない」という感覚の多くは、スパンが合っていないことが原因です。

マイボールを最初から持つべき理由
マイボールは自分のスパンに合わせてフィンガーホールを開けてもらえます。
自分のスパンに合ったボールを持つと何が起きるか。自然に放せば勝手に曲がるようになります。これがマイボールの本質です。
無理に曲げようとしなくても、スパンが合っていれば自然なリリースでボールが曲がる。この感覚を最初から身につけることが、上達への最短ルートです。
最初からマイボールで練習することで、正しい投球感覚が身につきます。ハウスボールで変な癖がつく前に、正しい感覚を覚えられる。上手くなってからマイボールを買うと、それまで身についた癖を矯正しなければなりません。これが意外と難しい。最初からマイボールで始めた方が、結果的に上達が早いのです。
ボールの素材について
マイボールを選ぶときに必ず出てくるのが素材の話です。現在市場にあるボールは大きく3種類に分かれます。
ポリエステルは曲がりが少なくコントロールしやすい素材です。スペアを取るための専用ボールとして使われることが多く、ストライクを狙うメインボールとしては不向きです。
リアクティブ(ソリッド・パール・ハイブリッド)はレーンのオイルに反応してフッキング(曲がり)が起きやすい素材です。ストライクを狙うメインボールはここから選ぶことになります。
ウレタンは中級者以上向けの素材です。最初の1球としては選ぶ必要はありません。
つまり初心者がメインボールを選ぶなら、必然的にリアクティブになります。
リアクティブの中でどれを選ぶか
リアクティブにはソリッド・パール・ハイブリッドの3種類があります。どれが合うかは、これから通うボウリング場のオイルの塗り方(オイルパターン)によって変わります。最終的な選択はプロショップの担当者に相談するのが確実です。
私の場合、初めてマイボールを持つ方にはまずパールをすすめています。パールは比較的どんなレーンコンディションにも対応しやすく、最初の1球として汎用性が高い。ボウリングにハマってきたら、必要に応じてソリッドやハイブリッドを買い足していくのがおすすめです。
またボールは消耗品です。リアクティブ素材はオイルを吸い込む性質を持っています。レーンに塗られたオイルをボールの内部に吸い込み、表面になるべくオイルが残らないようにすることで、レーンの乾いた部分との摩擦を生み出し、ボールが曲がります。
しかし投球を重ねるうちに吸油力が徐々に落ちてきます。吸い込む力が弱まると、表面付近にオイルがぬるぬると残るようになる。こうなるとレーンの乾いた部分との摩擦力が低下し、曲がりが悪くなりピンアクションも弱まります。これがボールの寿命です。いずれ買い替えのタイミングが来ることも頭に入れておいてください。
おすすめ商品
①初心者向けリアクティブボール(パール)
まとめ|マイボールは上手くなってから買うものではない
ハウスボールはスパンが合わず、自然なリリースができません。自分のスパンに合ったマイボールは、自然に放せば勝手に曲がります。この感覚を最初から身につけることが上達の近道です。素材はリアクティブのパールから始めて、レーンコンディションによる選択はプロショップに相談してください。ボールは消耗品なので買い替えも視野に入れておきましょう。
「上手くなってから買おう」ではなく「上手くなるために最初から買う」。これがマイボールに対するプロボウラーとしての正直な答えです。


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